手足のしびれ感・ふるえ、眼の周囲や顔面のぴくつき、手足の脱力、歩行障害、めまい・ふらつき・浮動感、頭痛や頭重感、物忘れ、言語障害、意識消失発作、など。
変形性頚椎症・腰椎症、末梢神経障害・手根管症候群、パーキンソン病、頭位性眩暈、緊張型頭痛、片頭痛、顔面神経麻痺、眼瞼・顔面痙攣、脳梗塞、一過性脳虚血発作、アルツハイマー型認知症、てんかん、など。
神経系疾患全般にわたる診療を行っています。従来の打腱器を用いた伝統的診察法に加えて、最近では画像機器の目覚ましい発達と神経生理検査の進歩により、以前は困難とされてきた情報を比較的容易に、かなりのスピードで得られるようになりました。例えばCT検査に加えてMRIではもっと細部の診断ができるようになっています。拡散強調画像を用いると、脳梗塞発症1~2時間の超急性期病変も描出可能です。一方、神経生理検査ではめまい、手足のしびれや自律神経症状を波形や数値の異常でとらえることができるため、補助診断として大変役立っています。
CT、MRI(3.0T、1.5T)、DSA、脳血流シンチグラフィー、USカラードプラーイメージ、脳波、誘発筋電計、PWVなどの検査機器が充実しています。
頭部CT、頸動脈エコー、心エコー、神経生理検査は可能な限り受診当日に施行可能です。
MRIも担当医が必要と認めた場合にのみ緊急的に当日検査も可能です。当院の3.0T-MRIは県下で最も先進の機器です。
神経内科創設以来、必ず毎年欠かさずに「日本神経学会学術大会」に演題を発表しています。そして、随時「日本脳卒中学会」、「神経治療学会」、「日本神経学会東海北陸地方会」、「内科学会東海地方会」にも発表しています。2011年第129回と、2013年第135回の2回の日本神経学会東海北陸地方会おいて、当科で発表した演題が最優秀演題に選出され後世に残すべく論文化の推薦をいただきました。
2007年には第117回日本神経学会東海北陸地方会の会長職を拝命し、名古屋国際会議場において成功裏に終えることができました。また、第48回日本神経学会学術大会では学会の中核をなすシンポジウムの「オーガナイザー/座長」に選出され、シンポジウム「神経伝達機能イメージング Cutting Edge」を企画し、大役を務めることができました。
可能な限り論文を執筆し、世界で最初あるいは本邦で最初の報告もいくつか経験でき、学術機関誌「臨床神経学」や全国レベルの神経学専門誌に掲載され、当科から全国に発信しています。また公式の学会以外に、神経専門領域の研究会/講演会にも多数発表したり、講演会を企画し活動を継続しています。
毎年、三重大学医学部非常勤講師として、医学部学生に「教育講義」(90分授業)を行っています。また、院内では他科と連携して、研修医の指導に当たっています。さらに、当地区での研究会/講演会を企画することにより、医療スタッフにも参加していただき啓蒙活動を継続しています。
このような当科の努力が、多くの患者様からマスコミ(「患者20万人アンケート」の単行本)を通じて、医療水準、医師の説明、医師・看護師の接遇などに対し高い評価をいただいています。
「脊髄萎縮と脳脊髄液オリゴクローナルIgGバンドを認めた慢性トルエン中毒の1例」
臨床神経 2020;60:285-288
「悪性貧血に続いて広範囲に及ぶ多巣性脳病変と治療可能な認知症を呈し非傍腫瘍性自己免疫性全脳炎が考えられる1例」
BRAIN and NERVE 2019;71(9):1003-1012
「原著:90歳以上の超高齢者における急性期脳梗塞 ―臨床像と退院時転帰―」
脳神経内科 2019;90(6):705-713
「原著:90歳以上の超高齢者における急性期脳梗塞:頭部MRI拡散強調画像を用いた検討」
BRAIN and NERVE 2017;69(11):1337-1345
「尿閉と便秘を随伴し,Fisher症候群にpharyngeal-cervical-brachial variantがオーバーラップした1例」
臨床神経 2016;56:694-697
「複雑幻視がくり返し出現した複雑部分てんかん重積:123I-IMP-SPECT,脳MRIおよび脳波をもちいた検討
臨床神経 2015;55:580-584
「下垂体炎,および頭蓋,脊髄肥厚性硬膜炎を呈したIgG4関連疾患」
臨床神経 2014;54:664-667
「原著:Hyperosmolar hyperglycemic stateを合併した慢性アルコール中毒患者におけるアルコール離脱後の橋中心髄鞘崩壊症」
臨床神経 2014;in press
「神経画像検査にて脳静脈還流異常をみとめた一過性全健忘の39歳女性例」
臨床神経 2012;52:769-773
「原著:失名辞で発症した大脳皮質基底核変性症:123I-IMP SPECTにおけるtwo-tail表示の有用性」
脳神経内科 2011;74:188-192
「発作の誘因として静脈還流圧上昇の関与が疑われた一過性全健忘の3症例:高磁場脳MRIを用いた検討」
臨床神経 2010;50:473-477
「Spectacular shrinking deficitの2症例」
脳神経内科 2010;72:608-614
<シンプジウム2>神経伝達機能イメージング:Cutting Edge「座長の言葉」
臨床神経 2007;47:821
「第117回日本神経学会東海北陸地方会抄録」
臨床神経 2007;46:473-483
「Spectacular shrinking deficit回復直後の頭部MRI拡散強調画像」
臨床神経 2006;46:122-127
「原著:パーキンソン病患者における認知機能および罹病期間と局所脳血流:123I-IMP SPECT のstereotactic extraction estimation (SEE)法を用いた検討」
BRAIN and NERVE 2006;58:29-37
「MMSEと罹病期間からみたパーキンソン病患者における後部帯状回血流低下」
Neuroimaging Conference 2005;8:15-17
「三次元的表面投射法(3D-SSP)をもちいた知的機能低下をともなうパーキンソン病患者の局所脳血流の検討」
臨床神経 2003;43:183-187
「低髄圧症候群と両側硬膜下血腫を合併した外傷性くも膜下腔―胸腔瘻孔」
脳神経内科 2002;57:185-187
「原著:麻疹筋炎と考えられる1成人例」
脳神経内科 2002;56:349-352
「免疫グロブリン大量静注療法が奏効したBickerstaff型脳幹脳炎」
脳神経内科 2002;56:365-368
「原著:亜急性に発症した炎症性脱髄性多発ニューロパチーに対する免疫グロブリン大量静注療法」
脳神経内科 2000;53:39-44
「MRIで脊髄病変が描出された慢性トルエン中毒によるencephalomyelopathy」
臨床神経 2000;40:571-575
「塩酸タリペキソールにより洞性徐脈が誘発されたパーキンソン病の1例」
臨床神経 1998;38:771-775
「抗凝固中の患者に発生した腸骨筋血腫による大腿神経麻痺の1例」
脳神経内科 1998;49:569-571
「抗Parkinson病薬とdomperidonを投与中のParkinson病に発生した悪性症候群」
脳神経内科 1996;45:546-548
文責:坂井 利行
坂井利行.G痙攣発作.中島健二,天野直二,下濱 俊ら,編.
認知症ハンドブック 第2版.東京:医学書院;2020.p. 358-364
全国済生会病院「症状別:片頭痛」解説(坂井 利行執筆).
全国済生会病院企画で種々の疾患総説が各済生会病院からweb siteにupされており, 当院では当科が担当することになり, 「片頭痛」のテーマで執筆させていただきました.
現在でもweb siteにおいて閲覧することができます.片頭痛の解説では常に上位にrankされているようです.