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各科部門紹介 内科/透析センター・腎臓センター

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特色

 腎臓は、余分な水分や老廃物などを尿として体外に排せつするフィルターの役割を果たしています。その働きを担っているのが、腎臓内に約100万個あると言われている毛細血管の塊である「糸球体」(しきゅうたい)です。糸球体は、およそ8ミクロンという非常に細い血管のため繊細で壊れやすく、血管に圧力がかかる高血圧症や糖が血中に増える糖尿病などが原因になって容易に傷つき機能が落ちてしまいます。そのろ過機能が落ちている状態を「慢性腎臓病(CKD)」といいます。

 腎臓はいったん傷つくと治す方法がない上に、機能の低下がかなり進行しないと自覚症状が現れないので、症状が出るようになったときには、すでに透析療法が必要なくらい悪化していることが少なくありません。

我が国では毎年3万人が透析を開始され、その総数は30万人を超えています。しかし、これは患者さんのごく一部に過ぎず腎機能の低下しているCKDの患者さんの総数は、1300万人と推計されています。CKDになると腎臓だけでなく心筋梗塞や脳梗塞などになりやすいことが分かっていますし、腎臓の悪化が止まらず透析療法になった場合、生涯にわたって通院や服薬、食事制限が必要となり患者さんにとっては大きな負担です。

 しかしCKDは、早い段階で適切な治療を行えば透析療法への進行を食い止めることができます。

 当科では、各スタッフが協力しCKDの早期対策に力を入れています。

主な検査・治療内容

腎生検

 慢性腎炎やネフローゼ症候群など、腎臓に異常をきたす疾患には様々な原因があります。
 腎生検とは、背中から鉛筆の芯ほどの太さの針を使って腎臓の細胞を採取する検査です。30分程度の処置ですが、入院が必要となります。採取した細胞を顕微鏡で観察し、腎炎やネフローゼの原因を診断します。
 さらにどのような治療が最適かを判断します。また腎生検から得られた情報で、治療の反応性や腎臓の予後を予測することも可能であり、当院でも積極的に腎生検を行っています。

慢性腎臓病に対する進行予防対策

 腎生検で腎障害の原因がはっきりした場合は、ステロイドや免疫抑制薬を使用して腎炎の活動性を抑え、腎機能が下がらないよう治療を行います。
 腎機能の悪化には、血圧や血糖、脂質、尿酸などが関連することが知られています。これらは生活習慣と深くかかわっており、まず生活習慣の改善(肥満の予防、減塩、運動習慣、禁煙など)を行います。それでもよくならない場合は薬剤による治療を考慮します。慢性腎臓病に対する進行予防対策は長い間続ける必要があり、かかりつけの先生と協力しながら治療を行っていきます。

IgA腎症に対する扁桃摘出術およびステロイドパルス療法

 これまで慢性腎炎は「不治の病」と言われていました。慢性腎炎の原因として最も多いIgA腎症に対し、当院では積極的に扁桃摘出術およびステロイドパルス療法を行っています。この治療によって、蛋白尿や血尿が完全に消え、腎炎が「治った」患者さんもみえます。全員が完治する治療ではありませんが、腎炎が治れば将来腎不全となる危険を回避できるため、当院では積極的に治療をすすめています。

慢性腎不全に対する腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)

 慢性腎不全で、全身のむくみや食欲不振、息切れやだるさを自覚した場合は尿毒症の可能性が高く、尿毒素を体の外へ出す治療が必要となります。これは腎代替療法と呼ばれ、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの方法があります。当院では、病院で行う血液透析だけでなく、自宅で可能な腹膜透析も行っています。腎移植は三重大学病院と連携して対応しています。腎代替療法とは、腎不全でできなくなった生活や仕事、やりたいことなどを再び実現するための治療です。腎不全で悩んだらぜひ当院へご相談ください。

多発性嚢胞腎に対するトルバプタン

 2014年3月より多発性嚢胞腎に対するトルバプタン(サムスカ®)が認可されました。トルバプタンは腎嚢胞が大きくなるのを抑え、腎機能低下速度を改善させる効果が証明された唯一の薬であり、当院でも積極的に使用しています。服用するとおしっこの量が1日5Lほど出るため、十分な飲水が必要となり、服用開始時は入院が義務付けられています。またトルバプタンは一定の条件を満たさないと投与できないため、ご希望の方はまず外来でご相談ください。

自分でできる慢性腎臓病対策

 慢性腎臓病(CKD)は生活習慣と強い関連があります。減塩(目標食塩摂取量1日3~6g)するとむくみが減り、血圧も下がるため、腎臓の負担を減らすことができます。たばこ、太りすぎ、運動不足も腎臓には悪影響です。規則正しい生活をこころがけ、かぜなどひかないよう注意することも大切です。痛み止めなど、飲み続けると腎臓に負担となる薬もありますので注意が必要です。当院では管理栄養士の協力のもと、毎日の食事や生活の注意点について相談を行っています(要予約)。ぜひ栄養相談をご利用ください。

対象疾患




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