令和2年度 済生会松阪総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 120 69 218 428 596 651 1021 1832 1550 584
令和2年度の退院患者さんを10歳刻みで集計したデータです。
退院患者数は新型コロナウイルス感染症の影響により全体的に減少し、前年度に比べ610人減少しています。平成30年1月より新生児集中治療室(NICU)を開設し、低体重・早産児での新生児入院も増加し、周産期医療の需要も多くなり、10歳未満では前年度より13%増加しています。
全体では70歳、80歳代が最も多い年齢層で全体の約47%を占め、その割合は増加傾向にあり将来推計人口においても当地域は高齢化が今後も進んでいくことが推測されています。
当院は地域医療支援病院であり新生児から高齢者まで幅広い疾患に対して質の高い医療を提供しています。
また、松阪地区の二次救急医療機関として多くの救急車の受け入れも行っています。当院では松阪市以外にも多気郡、紀勢地区等、中南勢地域の患者さんも多く、地域住民、地域医療機関と密着した医療を提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術・処置等なし 180 22.32 20.51 11.67 83.79
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 173 2.32 2.66 0.00 66.15
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 147 17.2 13.00 7.48 81.27
050130xx9900xx 心不全 手術・処置等なし 117 26.83 17.23 8.55 85.75
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 112 12.63 9.53 3.57 80.4
内科では誤嚥性肺炎が最も多くなっています。嚥下(のみこみ)困難な方が誤嚥を起こし発症する肺炎です。そのため、多くの患者さんは80歳以上の超高齢者が多く、重症化、再発・再燃を繰り返すこともあり、在院日数が長くなっています。
2番目は大腸ポリープです。大腸内視鏡によるポリープ切除術が施行され、在院日数については、ほとんどの患者さんは1泊2日の短期入院となります。
3番目は尿路感染症となっており、中でも腎盂腎炎が多くを占めています。悪化すると敗血症になる可能性があります。
4番目は心不全です。増悪を繰り返し再入院となる患者さんが多く、平均年齢は高く、比例して平均在院日数が長くなる傾向にあります。誤嚥性肺炎と併発されることも多々あります。
5番目は総胆管結石や胆管炎等の胆道系疾患です。内視鏡検査や処置を行います。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 152 4.34 4.86 0.66 67.55
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 42 5.6 7.23 0.00 62.07
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 32 14.59 16.19 0.00 73.41
060241xx97xxxx 痔核 28 2.39 5.64 0.00 50
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 25 3.64 5.44 0.00 37.68
外科では消化器外科、肛門外科、一般外科を担当しており、取り扱い症例はヘルニア疾患、胆嚢炎・胆嚢結石、結腸悪性腫瘍、痔核の順で多くなっています。
平成28年5月に腹腔鏡手術・ヘルニアセンターを開設し、年間158例の腹腔鏡ヘルニア手術を行っております。肛門外来では多くの痔核疾患症例があり、特に手術時間も短く痛みも少ない、患者さんへの負担が少ないALTA療法手術症例も増加しています。
また、地域がん診療連携準拠点病院として、連携パスを使用し地域の先生方とも連携した診療を行っています。
これに加えてPETーCTを行い、がんの進行度診断や再発の診断に役立てています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 139 24.96 25.09 76.26 83.5
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 63 22.81 21.03 23.81 70.68
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 56 24.66 23.36 23.21 74.86
160760xx97xx0x 前腕の骨折 41 3.41 5.18 2.44 60.63
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 38 2.16 2.88 0.00 71.58
令和2年度は、大腿骨近位部骨折が一番多い症例となっています。手術を行い、早期のリハビリを開始しています。大腿骨地域連携パスを使用し、回復期病院と連携してリハビリ等を進めています。スムーズな転院に努め、在院日数を短縮しています。
2番目は腰部・脊椎症疾患です。脊椎センターもあり、脊椎疾患の専門的治療に取り組んでいます。
3番目は変形性関節症疾患です。人工関節置換術、薬剤治療、リハビリなど積極的に行い、日常生活改善に取り組んでいます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 67 9.97 9.45 0.00 34.97
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮鏡下子宮中隔切除術、子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術を含む) 54 1.15 2.49 0.00 51.81
120140xxxxxxxx 流産 49 2 2.42 0.00 36.33
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 38 8.05 9.57 0.00 45.03
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 35 3.03 3.11 0.00 42.43
当院は周産期等を含む産婦人科全般における診療と、不妊治療(ART生殖医療センター)を行っています。
周産期医療では、平成30年1月よりNICUを開設し、ハイリスクな妊婦さんも増えており、帝王切開も多く行っています。
婦人科疾患では卵巣がん、子宮頚がんなどの悪性疾患も増えており、手術療法や化学療法を行っています。
また、子宮内膜増殖症・子宮体がんを疑い、日帰りでの子宮内膜掻爬術を多く行っています。その他に、子宮筋腫の患者さんも増えてきています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 256 2.17 2.78 0.39 74.41
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 34 3.68 6.49 0.00 68.74
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 11 3.09 6.98 0.00 60.82
020160xx97xxx0 網膜剥離 - - 8.97 0.00 51.5
020210xx97x0xx 網膜血管閉塞症 - - 6.94 0.00 74.5
眼科では白内障、角結膜疾患、屈折異常、緑内障などの一般診療を行っています。
入院は全て手術目的です。最も多いのは白内障手術目的での入院で、年間307件の手術を施行しています。特に難症例の白内障手術や硝子体手術、眼瞼手術については、専門の医師による手術を行っています。また、令和3年1月から、選定療養での多焦点レンズを用いた白内障手術にも対応しており、令和2年度は3件の手術を施行しています。
最近、白内障における水晶体手術は、外来での日帰り手術も行っており、入院でも白内障は1泊2日、硝子体疾患は3泊4日での手術が一般的となり、在院日数が短縮しています。
糖尿病性網膜症疾患に対する硝子体手術も増加しており、年間50件施行しております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 139 2.04 2.66 0.00 60.45
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 114 2.81 2.54 0.00 71.08
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 44 8.75 7.13 0.00 73.5
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 30 10.43 13.00 20.00 79.63
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 23 7.43 5.67 0.00 62.78
泌尿器科で多い症例は上部尿路疾患となっています。尿管結石、腎結石の症例に対して、1泊2日で体外衝撃波腎・尿管結石破砕術を行い早期退院に努めています。
次は前立腺生検入院となっています。基本1泊2日入院で早期退院となります。
3番目は膀胱癌に対する治療入院が続きます。中でも経尿道的手術が多くを占めますが、進行癌に対し膀胱全摘出術も行っています。
他に、尿路感染症に対する治療が多くなっています。抗生剤治療、尿管ステント留置などの治療を行っています。
また、腎腫瘍に対する腎摘出術や前立腺全摘出術などの治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり 35 12.63 9.68 2.86 78.71
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) 23 30.26 18.86 56.52 74.74
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 18 6.5 8.18 5.56 74.61
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術 12 32.08 21.03 0.00 77.83
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 12 2 7.06 0.00 78.5
脳神経外科では主に脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳腫瘍、頭部外傷(急性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血)、外傷後の慢性硬膜下血腫、脳動脈瘤、脳腫瘍などに対する外科的治療、保存的治療を行っています。
当院ではSCU(脳卒中集中治療室)を有しており、早期治療が求められる脳卒中患者に対して24時間体制で対応を行っており、専任リハビリ従事者を配置することにより、早期リハビリ介入も行っています。
脳梗塞や頭部外傷に次ぎ、脳卒中に発展する可能性のある脳動脈瘤や内頚動脈狭窄に対する血管内治療、日常生活に支障をきたす脊椎・脊髄疾患(頚椎症、ヘルニア、後縦靭帯骨化症等)、水頭症の診断及び手術加療にも力を入れています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 13 20.85 15.64 38.46 68.69
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 12 25.58 18.86 66.67 70.33
010230xx99x00x てんかん 12 14.58 7.48 8.33 58.67
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) - - 15.54 - -
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) - - 17.35 - -
脳神経内科では、脳・神経・筋肉などの領域の病気に対し、内科的な加療を行います。神経症状には多彩なものが多く、各診療科と連携し、病気の原因を特定し治療を行います。
当院は県内でも最大の面積を含む医療圏に属しており、地域の中核病院として、SCU(脳卒中集中治療室)にて緊急性の高い脳卒中(脳梗塞・脳出血)患者に対し、脳神経外科と連携し24時間体制で対応を行っています。
また、長期臥床による筋力の低下、療養生活の質の低下を防ぐため、そして、後の在宅・回復期病院へのスムーズな移行を目指し、早期リハビリテーションを行っております。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの) 76 10.26 10.30 0.00 65.83
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 32 6.44 6.02 0.00 55.31
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 なし 手術・処置等22あり - - 28.74 - -
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術 - - 8.26 - -
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 - - 9.58 - -
平成29年4月より乳腺外科を開設しました。入院では乳がん患者の手術療法を中心に行っています。がんの進行・浸潤により部分切除、全切除、リンパ節郭清など切除範囲が異なります。リンパ節郭清後はリハビリを行っています。また、40代、50代の乳がん患者が多く、組織拡張器・皮弁・人工乳房などによる再建術も行っています。
新生児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 74 7.52 6.13 0.00 -
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) - - 28.12 - -
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) - - 11.19 - -
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) - - 21.72 - -
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) - - 10.91 - -
当院では平成30年1月にNICU(新生児特定集中治療室)開設に伴い、通常の出産だけではなく、帝王切開や低出生体重児、早産児等も産婦人科医が入院管理しています。病的疾患がないか全身的な一般診療と、退院前の診察を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 39 - 22 63 - 12 1 8
大腸癌 21 57 44 39 - 33 1 8
乳癌 61 28 - 10 - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - 13 - - 19 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃がん、大腸がんは、早期のがんに対して内視鏡的治療を行っています。また、stageⅡ・Ⅲは外科的治療や化学療法などを行っています。
乳がんは、年々がん検診を受ける患者さんが多くなり、早期に発見されることが増えてきています。
肝がんは、内科的治療を行っています。
当院では、外科的治療や化学療法、放射線療法を行っており、患者さんの状態に合わせて最適な医療を受けていただけるよう努めています。
また、緩和医療もあり、各種がんの疼痛緩和にも努めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 8.89 51.06
中等症 63 15.14 79.27
重症 15 20.93 84.13
超重症 - - -
不明
市中肺炎とは、病院や介護保険施設入居者を除く、病院外で日常生活を送っている方が発症した肺炎です。また、ウイルス性肺炎や誤嚥性肺炎などは含まれていません。
当院での成人市中肺炎の患者数は、中等症が最も多く65.6%を占めています。2番目に多いのは軽症で、全体数の18.7%となっており、重症は全体数の15.6%となっています。軽症の平均年齢は51歳で、平均在院日数は8日ですが、重症の平均年齢は84歳、平均在院日数は20日となっています。年齢が高くなるほど肺炎は重症化し、それに伴い入院日数も長引く傾向にあります。肺炎に罹患しないためにも、肺炎球菌ワクチンの接種をするなどの予防に努めることがとても大切だといえます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 128 30.95 76.24 39.06
その他 16 30.06 78.13 43.75
脳梗塞入院は、発症して早期に入院される患者さんがほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が約90%を占めており、年齢も平均78歳となっています。当院ではSCU(脳卒中集中治療室)を有しており、早期治療が求められる脳卒中患者に対して、脳神経外科・脳神経内科医師による24時間体制にて対応を行っています。また、専任のリハビリ従事者を配置しており、リハビリの早期介入を行える体制を取っています。
当院で脳梗塞の急性期治療を行った後、在宅復帰を目指し、リハビリ目的に早期に連携医療機関の回復期リハビリテーション病棟へ転院していただく患者さんが多くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 170 0.82 1.5 0.00 67.1
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 73 1.03 12.22 5.48 80.45
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 54 1.89 9.2 3.70 76.7
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下) 36 0.78 7.03 0.00 73.14
K654 内視鏡的消化管止血術 33 2.94 16.97 3.03 73.76
当院で最も多く行われている手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術で、大腸ポリープや大腸腫瘍の切除に対して行われます。多くの方は1泊2日(入院日当日に手術を行い翌日退院)の入院で、麻酔の必要もなく、身体への負担やストレスが少なくて済みます。
2番目は、内視鏡的胆道ステント留置術で、胆管や膵臓の疾患により胆管が狭窄し、黄疸を来たした状態を改善するため、内視鏡を挿入し、胆管の狭窄部に管を留置し、胆汁の排出や胆管結石の排石目的に行われます。
3番目は、内視鏡的乳頭切開術で、内視鏡にて十二指腸乳頭を切開し、胆管にある結石を取り除く手術です。
4番目は、内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術)で、早期胃癌に対し、胃の粘膜下に食塩液を注入し、病変を浮かせ切除する手術です。
5番目は、内視鏡的消化管止血術で、上部消化管(食道・胃・十二指腸)の出血箇所に電気メス、マイクロ波、無水エタノール、レーザー、止血クリップ、止血用輪ゴム等を用いて止血を行なう手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 152 1.06 2.13 0.66 66.36
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 48 1.31 3.54 0.00 62.4
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 27 2.48 11 0.00 73.19
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 26 0.15 2.69 0.00 38.38
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 21 1 4.19 0.00 75.29
大腸・胃悪性腫瘍手術では積極的に腹腔鏡手術を行っています。
胆嚢結石・結石性胆嚢炎、ヘルニア疾患などは腹腔鏡手術が大半を占めており、在院日数が短縮しています。
また、腹腔鏡手術ヘルニアセンターを開設し、腹腔鏡による鼡径ヘルニア手術を積極的に行っています。手術件数は全件で160件、うち開腹手術が2件、腹腔鏡手術が158件となっており、在院日数が短縮し、鼡径ヘルニア手術入院は、現在手術件数第1位となっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 124 1.09 21.63 22.58 72.68
K0461 骨折観血的手術(大腿) 100 2.39 18.44 62.00 81.8
K0462 骨折観血的手術(前腕) 71 2.07 10.99 11.27 65.1
K0811 人工骨頭挿入術(股) 57 3.37 23.65 84.21 83.19
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 35 3.43 19.03 17.14 68.26
大腿骨骨折に対する骨折観血的手術や、人工骨頭挿入術が1番多く、早期リハビリを行い、地域連携パスを活用して円滑な転院を進め、病院間での早期回復に努めています。
次に人工関節置換術(肩、股、膝)が多くを占めています。変形性股関節症、変形性膝関節症に対する手術治療、リハビリを積極的に行い、QOLの向上、早期の社会復帰ができるよう取り組んでいます。
3番目は脊椎手術が多く、脊椎固定や椎弓切除などを行い、術後も早期の退院に努めています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 75 0.04 0.17 0.00 49.95
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 63 7.32 6.76 0.00 36.03
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで) 50 1.46 0.04 0.00 36.82
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 47 4.4 7.09 0.00 31.72
K877 子宮全摘術 42 1.05 6.71 0.00 46.64
最も多い子宮内膜掻爬術は、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、子宮体がん疑いに対して日帰りで行っています。子宮筋腫、子宮腺筋症、また子宮体がん、子宮頚がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍に対しては、子宮全摘術を多く行っています。
周産期医療では、前回帝王切開・骨盤位などの予定された帝王切開術、血圧上昇・胎児の心音低下等で他院からの母体搬送も増えており、緊急での帝王切開術も多く行っています。
また、当院は不妊治療も行っており、流産疾患の方も多く、稽留流産に対しては日帰りで流産手術を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 255 0.11 1.05 0.39 74.42
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 50 0 2.5 0.00 66.98
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
K2682 緑内障手術(流出路再建術) - - - - -
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズ挿入) - - - - -
最も多い白内障における水晶体再建術は、外来手術も行っていますが、入院当日に手術を行い、翌日退院といった1泊2日入院が一般的となっており、入院手術307件、外来手術22件と年間329件の手術を行っています。
また、糖尿病網膜症、網膜前膜疾患等に対する硝子体茎顕微鏡下手術も3泊4日入院が一般的ですが、外来手術3件、入院手術50件と年間53件の手術を行っています。
令和3年1月から選定療養での多焦点レンズを用いた白内障手術にも対応しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 139 0 1.04 0.00 60.45
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 47 0.81 16.15 14.89 76.06
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 43 1.77 5.16 0.00 73.4
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 20 2.05 4.65 0.00 64.4
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 16 1.19 35.31 6.25 73.19
尿管結石、腎結石に対する体外衝撃波腎・尿管結石破砕術が最も多く、1泊2日入院となっています。また結石に対し、経尿道的尿路結石除去術も行います。
2番目に、膀胱癌に対する経尿道的手術を多く施行しています。また膀胱全摘出術や、腎・尿管癌に対する全摘出術、腹腔鏡下全摘出手術も行っています。
3番目に、腎結石・尿管結石に対する経尿道的尿路結石除去術(レーザー)を行っています。
また急性腎盂腎炎、水腎症等に対して尿管ステント留置術も行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 0.25 12.25 7.14 78.96
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 16 4.38 27.25 6.25 69.13
K1742 水頭症手術(シャント手術) 15 8 30.27 20.00 78.27
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 13 0.38 70.77 61.54 66.92
K1781 脳血管内手術(1箇所) 11 0.36 30.82 27.27 53.64
慢性硬膜下血腫に対する手術件数が最も多く、診断同日に緊急手術を行う症例がほとんどなっています。患者さんによっては再発しやすい方もおり、状態により再手術やリハビリ等を行うこともあります。
次いで、近年増加傾向にある水頭症に対するシャント造設術、頭蓋内腫瘍摘出術、脳動脈瘤の破裂(くも膜下出血)・破裂しうる可能性のある未破裂動脈瘤に対する脳血管内手術、および脳動脈瘤頚部クリッピング術を行なっています。
また、内頚動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術、救命目的に行なう頭蓋内血腫除去術、経皮的脳血栓回収術、また、内頚動脈や脳動脈狭窄、未破裂脳動脈瘤に対しては、脳卒中発症・再発の予備軍として積極的に手術加療を行っています。
この他に、脊髄・脊椎疾患(ヘルニア・脊柱管狭窄症など)に対する手術、脳腫瘍に対する栄養血管塞栓術、もやもや病に対する血管バイパス術、手根管症候群に対する手術なども行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 48 1.02 6.94 0.00 68.29
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 33 0.97 4.27 0.00 55.88
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 17 1 11.29 0.00 65.18
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳頭乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わない)) - - - 0.00 -
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - - 0.00 -
癌の進行・浸潤によって、部分切除、全切除術、リンパ節郭清術を行っています。リンパ節郭清のリスクを減らすため、センチネルリンパ節生検術を同時に行っております。
また、組織拡張器・皮弁・人工乳房による乳房再建術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.29
180010 敗血症 同一 16 0.31
異なる 20 0.31
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 25 0.39
異なる - -
播種性血管内凝固は、がんや敗血症など基礎疾患により、過剰な血液凝固反応が生じて臓器不全や凝固異常を起こす疾患です。
敗血症は、主に救急患者さんや重篤な患者さんに多く見られます。
入院後に重症となり、敗血症を発症する症例が36件となっています。
手術・処置などの合併症は、最大限に合併症を起こさないように治療に努めていますが、術後の出血や創部感染、縫合不全、透析シャント閉塞などが主な件数となっています。
更新履歴
2021/9/28
初版